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Author:チスイ

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【FF14】陰・飛耳長目譚〜策士〜【職人の冒険秘話】

 

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今日の総移動距離を思えば大した距離ではないとはいえベスパーベイに足を踏み入れた時には僅かに残っていた日の光も完全に無くなっていた。
まだ日が落ちてから時間があまり経ってはいないからか、まだ街には人の行き交う姿も見受けられる。

 

足跡の谷を経由した道中、時間的にも最近活発化しているという野盗の存在が頭を掠めたものの、結果としてその心配は杞憂に終わった。今日は偶然出なかったのか、或いは商隊だけを狙うようにしているのかもしれない。
 

「とりあえず飯と宿の確保だな。宿の方お願い」
 

カミシロは言い残して行こうとさっさと行こうとする。「1人で大丈夫なんですか?」と声をかけたら「大丈夫、見えてる場所には行けるから」と返されてしまったので私は視線で追いかけながらも宿屋の方に向かった。

 

 


幸いにも宿屋の部屋は空いて私は受付だけ済ませて入り口でカミシロを待つ。が少し待ってみてもカミシロは姿を見せなかった。やっぱり迷ったのだろうか。


私は連れを迎えに行ってくると伝えて再び街に出る。
 

キョロキョロしてみてもカミシロの姿は見えない。宿屋と間違えて他の建物に入ってしまったとか?だとしたらどこに入ってしまったんだろう。
そんな風に考えながら私はカミシロを探して港の方に足を向ける。

 

「待てっこらっ!」
 


そんな声が聞こえて咄嗟に顔を向けると走り出すカミシロを見つけた。

 

 

私は後を追いかけるけどカミシロもカミシロから逃げるように走るヒューラン族の男も足が速い。なんとか見失わないようにするうちに街の外にまで出てしまった。
 

追いついた時にはすっかり息が荒れてしまう。逃げ出した男はカミシロに突き飛ばされたのか寝転がって伸びてしまっている。
 

「ど、どうしたんですか?」
「あんたか。コイツが港でなんか変な動きしてたから声をかけたら逃げ出したもんで」

 

伸びた男に一瞥をくれながらカミシロが答える。逃げ出したのだから何か後ろめたい事があるんだろうけどちょっとやり方が荒っぽい。
突き飛ばされた男は一見すると荷運び人のようにも見える服装をしているけどカミシロはどうして怪しいと思ったんだろう?

 

「それで、どうするんですか?」
「話を聞いて判断するよ」

 


 

カミシロはそういうと男を手頃の岩場に持たれかけさせて頬を叩く。
 

「起きろって」
「う〜ん」

 

何度か首を横に振ってからぼんやりとした目でカミシロを見上げる男。最初は状況を理解していなかったようだが、すぐに気づいたようで一気に顔を強張らせる。頭を抱えるようにして怯える男とそれを見下ろす。男が荷運び人というには貧相な体付きという事もあってこの場だけ見たらカミシロが脅しているようにも見える。
 

「下手に動くなよ。質問にだけ答えろ。返答によってはそのまま銅刃団に引き渡す」
「……すみません。すみません」

 

小さな声で謝罪の言葉を続ける男。あまり悪い事をする人には見えない。
 

「はぁ、いきなり悪かった。でもあんな所で挙動不審にしてて声をかけたら逃げ出したら誰でも捕まえると思うぞ?」
「そ、そうですよね。すみません、すみません」

 

バツが悪そうに頭を掻くカミシロ。男の怯えっぷりには得意の話術も通用しないらしい。
 

「それで何があったんだよ?何か事情があるんだろ?例えば最近噂の野盗に脅されたとか」
「!!!」

 

男の震えがピタりと止まる。ゆっくりと顔を上げてカミシロを見つめた。その表情からは未だ怯えている部分に加えて驚きが感じ取れる。
 

「図星か。安心しろよ。ちゃんと話してくれたら悪いようにはしないから」
 

カミシロの言葉に男は少し俯いて僅かに考えてから頷いて顔を上げた。
 

「……わ、私いつもは行商をしてまして。件の野盗に大事な荷物を奪われてしまいました。そして荷物を返してほしければ港の荷物の入れ替えを手伝えと……」

「入れ替え?盗むんじゃなくて?」
「は、はい。向こうが用意した物と港のとある荷物を入れ替えろと言われました。それで私何度も……良くないとは思っていたんですが荷物は本当に少しずつ返してくれてはいたので。それで先程貴方に声をかけられた時はびっくりしてつい逃げ出してしまったんです」

 

男の言葉にカミシロは少し考えるようにすると続けて口を開く。
 

「なるほどなぁ。あんたの荷物、後どれくらいあるの?」
「今夜で最後の予定でした」
「荷物はいつ向こうに?」
「この後です。いつもそのままの足で」
「うんうん、OK」

 

カミシロは1人納得したようで大きく頷く。何かを企んでいるらしい。
 

「んじゃ俺も協力するからさ、あんたも協力して?」
 

カミシロは笑みを浮かべながら手を差し出す。男はその手を不思議そうに見つめた。
 

「えっとどういう?」
「荷物のすり替え手伝うからさ、荷物を相手に渡しに行く時にちょっと芝居してくれれば良いだけだから。ね?」
「い、いいんですか?」
「もちろん銅刃団には後で事情を説明してもらう必要はあるかもだし謝罪も必要だと思うけどあんたも確実に荷物が帰ってくる方がいいだろ?」
「……分かりました。お願いします」

 

男がカミシロの手を取るとカミシロは男を引っ張り上げるようにして立ち上がる。男はそこでただ事の顛末を見ていただけの私に対しても軽く会釈してくるので私も小さく会釈を返した。

 


「そういうわけだから協力よろしく!」
「ちょっと待ってください。なんで私が」

 

カミシロは男に声をかけてからこれまで私に一瞥もくれなかったのに私にも協力を頼んでくる。2人の約束に水を差すようで気が引けたがそもそも私の仕事はカミシロの道案内係でカミシロの受けた依頼は悪い噂の出処を突き止める事。彼自身は探偵なのだから依頼を同時に受ける事が悪いとは言わない。これが依頼と言えるのかは分からないけど。ただあくまでも1つの依頼の協力者でしかない私を他の依頼にまで巻き込んでいいわけがない。
 

「そもそも私は野盗は別に」
「大丈夫だって、俺の勘だけど多分繋がってるから」

 

私の言葉を遮るようにしたカミシロの言葉には混乱を覚えるしかなかった。しかも根拠が「勘」とまで言われてしまっては信憑性があるのかどうかも怪しい。
 

「もしこの件が全く関係なかったら今回の報酬はなしで良いよ。もちろんそれでもちゃんと最後までやる」
「……分かりました」

 

そうまで言われてしまっては私は引かざるを得なかった。本人は「勘」なんて言い方をしているが野盗と悪評の2つに何かそれ以上の繋がりのような物を感じているのかもしれない。

 

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