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Author:チスイ

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【FF14】陰・飛耳長目譚〜波紋〜【職人の冒険秘話】

 

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ムクロについて辿り着いた場所は市場のような場所だった。

 

先程何かを売るわけではないと示したと思ったが私の勘違いでやっぱり商人をさせるつもりなんだろうか。

 

ムクロは市場の中に入る事なく、その隅で足を止めた。買い物をするというわけでも無いらしい。

 

私が怪訝そうな顔を向けてどう声をかけるかと考えているとムクロはそんな私の思いを察したように口の前に指を立てる。何も言うなという事だと言うのは分かるけど結局どういう事なんだろうか。

 

 

「……聞いて」

 

ようやく口を開いたムクロは短くそう言う。説明というにはあまりにも短い内容に私はその指示に従うしかなかった。

 

「おや、いらっしゃい」

「こんにちはー」

 

耳に聞こえるのは一番近くの市場の店員とお客らしい物の声だけだ。この会話を聞いていればいいんだろうか?少し覗き込んでみると店員の方は私と同じアウラ族だった。

 

エオルゼアにもそこそこに増えているとは耳にしていたけれどその大多数は冒険者になっていると聞く。私も何も無ければそうなるしかないかなと考えていたのだが古参も多いだろう商人をしているというのは珍しいのではないだろうか。

 

それでもお客のヒューラン族の男も物珍しい感じで接していない所を見ると馴染んではいるんだろう。

 

 

「最近どうだい?」

「ボチボチだな。相変わらずペット探しとかそんなのばっかり」

「それは平和で何よりだ」

 

2人の会話の内容にも耳を傾けてみるけど何か重要な会話をしているようには思えない。ムクロの方を確認するけどそれでも2人の会話に耳を傾けているようで、相手は間違っていないのだとは分かる。

 

「お金があるならたまには食料以外も買っていかないか?これなんかどうだ」

「それは……やめとく」

「歯切れ悪いな。なんかあるのか?」

「あんたに言うのはなんだけど最近いい話聞かないんだ、それ作ってるとこの」

「そうなのかい?けっこういいもんだと思うけどな。そういう事ならあんまり推すのは控えるか」

「それがいいかもな。とりあえず俺はやめとくよ」

 

ヒューラン族の男はそれ以上何かを売られないようにと足早にその商人の前から去っていった。とりとめない売り手と買い手の会話過ぎてどこに注目すればいいのか全然分からない。

 

 

私はムクロの方を改めて確認する。

何か考えるようにしているが、一体今の会話の中のどこに考えるような要素があったんだろう。思い返してみてもただの商人とお客の会話にしか思えなかった。

 

ムクロは考えるのをやめたかと思うと私の方を見た。いくら見られても私には何も分からない事しかないんだけど。困惑しているとムクロは先程の商人の方に指を指した。私に行けと言っているのだろうか。

 

行くのは構わないのだけど私は何をすればいいんだろう。何かを買ってくるにしても私はお金を持ってないし、それはムクロだって把握しているはず。第一言葉にしないまでもせめてメモにでもしてくれなければ何を買えばいいかも分からない。

 

困惑している私を他所にムクロはそれ以上何をするでもなく言葉を発する事もない。とりあえず行くしか私には選択肢がないらしい。

 

…………やっぱり付いてくる人間違えたのかもしれない。

 

 

意を決して私は市場の中を商人の元に進んだ。

結局お金も無ければ買うものも分からない。商人からすれば冷やかしそのもの。まさか冷やかしをしてこいって事でもないだろう。

 

商人の元への距離は大した距離ではない。考えがまとまる暇はなく目の前まで到着してしまった。

 

「……いらっしゃい」

 

 

商人も私を見て少し驚いたようにしてから言葉を発した。同じアウラ族だとは言っても面識があるわけではないし、どうすればいいんだろう。私はただただ困惑するしかない。

 

商人の男はそんな私の無言をどう受け取ったのか頭を抱えたかと思うと言葉を続けた。

 

「すまないね、お嬢ちゃん。今日はもう店じまいにしようと思ってた所だ。買い物なら他所に行ってくれるかい?」

 

ていよく買い物をする事を断られた。直感で私はそう感じた。私としてはこれで理由を付けて戻る事ができるんだけどこれでいいんだろうか。

 

「す、すみません」

 

私は商人に頭を下げると足早にムクロが待つ場所に駆けた。本当に何をすれば良かったのか分からなすぎる。

 

 

私が戻るとムクロは何も言わずに歩き始める。もう、本当になんなんだろう。

 

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