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Author:チスイ

ハイデリンに住む一職人で一冒険者
今日も愛用の道具を片手にまったり世界を駆けぬけます。

 

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【FF14】冒険者になった理由〜出会い〜【職人の冒険秘話】

 

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「それでエオルゼアにきて冒険者ギルドに?」

 

ボクの話の区切りにカルルさんが尋ねてくる。がボクは首を横に振った。

 

「もしこのまま順当にエオルゼアに降りたっていたら、ボクは冒険者にはならなかったと思う。本当に職人に憧れるだけの何も知らない女の子だったから」

 

当時の事を思いだすと自分でも本当に世間知らずだったと思う。島民みんなが顔見知りのような小さな島の中で育ったボクにとってエオルゼアは漠然とした理想郷でしかなかった事を思い知る事になったのは言うまでも無い。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

異変に気付いたのは船に乗って何日かしてからだった。今思えば到着間近だったのかな。ボクは食事に薬を盛られて眠らされたんだ。気が付くとそこはチョコボキャリッジの中だった。両手を後ろに縛られて口には喋れないように布を巻かれていた。

 

「目が覚めたか?」

 

すぐそばには商船に乗せてくれた商人が座っていた。ボクはなんとか後ろ手を解こうと暴れてみたけど全然ダメだった。

 

「悪く思わないでくれ。こっちも危ない橋を渡るんだ」

 

睨みつけるボクに商人は少し怯えるような口調で言った。

 

これは今のボクだからこその推察だけど、おそらくボクは商船に乗せられた時点で「売られていた」んだと思う。両親にはそんな意図はなかったと思いたいけど、実際の所は分からない。でも商人は明らかにボクを「商品」として扱っていた。

 

そのまま逃げだす事も出来ないままチョコボキャリッジに揺られていたんだけど、突然チョコボキャリッジが急停止したんだ。

 

「何してんだ!」

 

立ち上がった商人が怒鳴っても返事は無くて、代わりに帰ってきたのは小さな悲鳴と鈍い音。そして暴れるチョコボの声と振動だった。その揺れに商人がチョコボキャリッジから放りだされた。

 

「うわっ、アマルジャ。や、やめろ!」

 

チョコボキャリッジの外からは商人の慌てふためく声が聞こえてきたけど、ボクはただただ揺れに耐えるしかなかった。

 

少しして揺れが収まってもボクにはどうする事も出来なくて、ただただアマルジャ族がチョコボキャリッジの屋根を壊されるのを怯えてみている事しか出来なかった。

 

初めてアマルジャ族を見た時は、そんな状況もあって本当に混乱したよ。少しでも逃げようとすればいいのにそれすらも出来なかった。1人のアマルジャ族と目が合って、チョコボキャリッジにアマルジャ族が乗り込もうとした。

 

でもそうはならなかった。今までとは違う低い呻くような声に乗り込もうとしていたチョコボキャリッジにアマルジャ族が乗り込むのを辞めて音の方に向かって行ったんだ。そこからボクの耳に届くのは呻くような低い声と金属同士がぶつかり合うような音だけだった。

 

今だからこそその音がアマルジャ族が倒される音と武器がぶつかる音だって分かるけど当時は本当に何も分からなくてただただ恐怖に怯えてる事しか出来なかったんだ。

 

やがて音が止むとチョコボキャリッジに1人のララフェル族が乗ってきた。

 

「驚いた、人が捕まっておったか」

 

ララフェル族のその人は、ボクの口の布と後ろ手に縛られた拘束を解いてくれた。

 

「心底驚いたようじゃの、自分で動けるかい?」

 

促されるように立ち上がったボクはその人と共にチョコボキャリッジを降りた。そこに広がるのは当時はまだ見慣れない光景だった。身体に傷を覆い息絶えるアマルジャ族、そして、チョコボキャリッジの業者だろう男と商人も倒れていた。音だけしかなかった情報が一気にボクに流れこんできて、身体を震わせた。

 

「あまり見なくてよろしい。こちらにおいで」

 

 

その人の言葉にただただ動かされるようにしてボクは近くの岩場に移動した。

 

「君と男2人以外にあのチョコボキャリッジに乗っていた人はいるかい?」

 

その人の質問にボクはただ首を横に振って答える事しか出来なかった。

 

「攫われた者がいなかっただけ不幸中の幸いか。もう少し早く駆け付ける事が出来れば良かったが……」

 

その人の独り言に現実味の無かった出来事を段々とリアルに実感できるようになってきた。

 

「少し行くと不滅隊の駐屯地のキャンプ・ドライボーンがある。まずはそこまで行こう」

 

その人に連れられて少し歩いて、キャンプ・ドライボーンに行って宿を取ってもらった。言われるがままにベッドに座ったボクに不滅隊に報告してくるというその人が一時部屋からいなくなった時に凄く寂しく感じたのをよく覚えてる。

 

戻ってきたその人は向いのベッドに座るとゆっくりと口を開いた。

 

「災難じゃったの。不滅隊にチョコボキャリッジの場所は伝えておいたからじきに片づけられるじゃろ。詳しい事は明日聞くから今日はもうゆっくり休みなさい」

 

促されるままにその日は眠った。或いはこれは全て悪夢で寝て覚めたらまだ船の中で、なんて事を考えたけど、翌日目が覚めてもそこは昨日眠ったその部屋だった。

 

助けてくれたララフェル族の人が持ってきてくれた朝食を貰って食べながら話す事になった。

 

「少しは落ち着いたかい?まずは名前を聞かせてもらえるかい?」

「……チスイ、です」

「ふむ、ではチスイ。君の家はどこにある?そこまで送って行こう」

 

最初の質問にはなんとか答えられたけど、家の場所を聞かれて困った。どう答えればいいのか分からなかったんだ。

 

「あの、ここはエオルゼアですか?」

 

代わりに浮かんだのは質問だった。船で寝かされてしまって気付いたら既に陸の上だったし、そもそも今となっては船がエオルゼアに向かっていたかも怪しい。

 

「いかにもここはエオルゼアじゃが……どういう意味じゃ?」

 

全く別の場所、という最悪の事態を免れて少しだけ安堵した。アテもないので全てを話す事にする。ラザハン近くの島の出身でエオルゼアに憧れて船に乗せてもらった事、船で眠らされて気が付いたらあのチョコボキャリッジに乗せられていた事を話した。

 

「なるほど、君はエオルゼアに憧れてやってきた異邦人だと」

 

その人はボクの話をしっかり聞いてくれてその上で、状況を理解し完結にまとめて頭を抱えた。

 

「帰れとは言えぬし……うーん」

 

その人は少しの間悩んでから、覚悟を決めたように頷いた。

 

「分かった。しばらく一緒に来なさい。君の身の振り方を考えよう」

 

ボクに選択肢はなく、その人の言葉にただ頷く事しか出来なかった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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