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Author:チスイ

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【FF14】陰・飛耳長目譚〜乱舞〜【職人の冒険秘話】

 

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そこからの動きは実にスムーズだった。男とのやりとりの間にさらに人通りが少なくなった港で私が見張り役をして男が指定された荷物をすり替える。見張り役はカミシロでも良かったわけだが、先程街から走る姿を見ている物がいるかもしれないからという事で私を指名してきた。
 

そのまま男をアジトに向かわせてカミシロと私は少し離れて付いていく。そこで男に野盗の頭目を誘き出してもらいそれをカミシロが倒すというものだった。
 

カミシロが探偵になる前は冒険者をしていた事を私は知っている。今でも探偵として仕事にありつけない時には冒険者として討伐の依頼を受けたりして生計を立てているらしい。だからカミシロが倒すという作戦に私は反対しなかったし、カミシロの攻撃をその身で受けた男にとってはその威力は折り紙付きだった事もあって男もその作戦に承諾した。


私が男に遅れてアジトの入り口に辿り着いた時には既に男は野盗と話をしている所だった。男と冒険者風の装備をした男が話しているのは奥の方なのでその声は聞こえない。中にいるのはその2人だけでまだ頭目らしき男の姿も他の仲間がいる様子もない。

 

しばらく話していた2人だったがやがて冒険者の装備を身に着けた男の姿が見えなくなる。
 

「大丈夫ですかね?」
「どうだろ?」

 

確信を持って答えないカミシロに私は一気に不満を覚える。本当に大丈夫なんだろうか。
 

「いい加減にしねぇか!」
 

大きな怒声に私の意識は再びアジトの中に向かう。いつの間にか現れていたこちらも冒険者風の装備を来た男が既に腰に差していただろう剣を抜いていた。この男が頭目なのだろう。周囲には他にも何人かの男達がいる。それぞれに装いこそ違うが皆が冒険者風の装備をしているというのは共通している。滲み出る荒々しさと話し方を少し注意すれば冒険者と装われても分からないように思う。
 

「まてぇぇぇぇい!」


演技めいた叫び声でカミシロがその姿を晒す。腰に下げていた自らの獲物である刀に抜きながら走りだしていった。

 

「話は聞かせてもらったぜ!お前ら全員お縄だ!」
「んだてめぇは!」

 

男の1人がカミシロに向かって抜いた剣をそのままの勢いで振るがカミシロは抜刀の勢いでそのまま相手を斬りつける。
 

「間の悪い奴だぜ!お前らやっちまえ」


頭目の男の言葉に周囲に居た者らが各々の武器を取る。
 

だがカミシロの動きは速かった。それぞれの武器を振るうまでもなく男達はその刀に斬られていく。一太刀で相手を無効化していくのだからその実力差は決定的な事が戦いの事なんてロクに分からない私にも分かる。騒ぎを聞きつけて奥に居たのだろう者達も出てくるが出てくる側から倒されている。
 

後方で魔法を唱えていた男にも刀を真っ直ぐに投げつけてその詠唱を止めてしまう。残ったのは頭目だけだった。
 

「これだけの人数相手に派手に立ち回ってくれたがバカだな。獲物を自ら投げるとはよ!」
 

獲物を無くしたと思った頭目はそう叫びながらカミシロに斬りかかる。


 

「悪いな。俺はこっちも得意なんだ!」
 

そんな男にカミシロは拳で返した。踏み込んだ男の勢いも利用したカウンターが見事に男の顔を捕らえる。その威力は吹き飛んで倒れ込んだ頭目を見れば明らかだった。
 

僅かな時間の間にアジトはカミシロによって制圧されてしまった。
 

「あんた。上手くやってくれてありがとよ。荷物は?」
 

あまりの制圧劇に事前に分かっていたはずの腰を抜かして倒れていた商人の男にカミシロが声をかける。
 

「は、はい。無事です!」
「悪いんだけど銅刃団を呼んできてくれないか」
「わ、分かりました!」

 

男は返してもらったのだろう荷物を大事そうに抱えながら起き上がる。そのまま小走りでベスパーベイの方に走っていった。私は男と入れ違うようにしてアジトの中に足を踏み入れた。床からは男達の呻き声も聞こえるが起き上がってる様子はない。
カミシロは走り去る男が見えなくなるのを確認すると投げ捨てた刀を拾い上げると腰に収めつつ最後に拳でノックアウトした男の胸倉を掴んで引き起こした。

 

「お〜い。起きろ!あんたはわざわざ拳にしたんだから他よりダメージないだろ!」
 

カミシロは男をそのまま揺さぶって起こそうとするが頭目の男は完全に伸び上がっていた。
 

「ダメだ、こりゃ。そんなに強くやってないんだけどな。銅人団来る前に話聞くつもりだったんだけどな」
「その必要はない!」

 

聞き慣れない声に私が視線を向けるとララフェルの男性と共にムクロの姿があった。ララフェル族は初めて見る男だし、そもそもムクロがなんでここに?


「お、もしかして雇い主?」


カミシロの問いにムクロは頷く形で答える。カミシロも何か気づいていたようだったが私には状況が良く掴めなかった。
 

「説明」
 

ムクロの短い言葉にララフェル族の「ヒッ」と小さく悲鳴のような声を上げる。完全にムクロの殺気に圧されて萎縮している状態だった。
 

「ワ、ワシが全部仕組んだ事です!コイツらを雇ってミードの荷物をすり替えさせた上に悪評を流すように頼みました!」
 

ララフェル族の男性は誰に向かうでもなく懺悔を始める。おそらくムクロは既に話を聞いているだろうにわざわざ男に再度説明させるとはムクロらしいというか。
 

男の話を要約するとこうだった。

男はウルダハで冒険者相手に装備を売る商人をしていた。男の店はお抱えの職人らがいる程繁盛していた。しかし新興であるミードの勢いが増せば増す程男の店の売上は減少。英雄となるような冒険者が冒険者に合わせて作った装備の質は高くお抱えの職人らでは太刀打ち出来なかった。完全に業種がかぶっている為に避ける事も出来ず男の店の規模は縮小。

男を阻害するミードを追い出すべくわざと粗悪品を作りミードの物とすり替えさせて質を下げた上に悪評を流して信頼を落とす事を計画したらしい。野盗達が着ていた装備もその過程で手に入ったミード製の物で彼らがそれを着て悪事を働く事でもミードの評判が落とせると考えたという事だった。
 

ちなみにムクロは市場に出回っているミードの商品の違和感から直接男を突いて屈服させたらしい。
 

「でも仕方なかったんじゃ!妻や子供もおるのにどうする事も出来ず、、、」
 

一通り説明した後ララフェル族の男は銅刃団が来るまでの間そう言って年甲斐もなく泣き喚いていた。

 

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